寺島拓篤 × 河森正治

河森正治
皆さんこんにちは、河森正治です。今日もまたとても素敵なゲストをお呼びして、ちょっとディープなトークでもできたらなと思っております。
寺島拓篤
はい。よろしくお願いします。声優の寺島拓篤です。お久しぶりですよね。
河森正治
お久しぶりですよね。
寺島拓篤
全然久しぶり感ないですね。
河森正治
ないんですよね。
自分の40周年記念展のときに、いろいろやっていただいて。
寺島拓篤
それってこの間いだじゃないんですよね。びっくりします。
河森正治
あれもね、40周年記念展が、自分が1970年の大阪万博EXPO70にすごい刺激を受けて。
寺島拓篤
そこからなんですか。
河森正治
そうなんですよ。そのときに初めて見るいろんな国の人とか、いろんなデザインの建物とか、その超多様性みたいな。小学生だから当然多様性なんて言葉知らないんだけど、でもそれがすごくインパクトがあって、で、今の仕事に就いてるみたいな気持ちもあって。
寺島拓篤
巡り巡ってますね。
河森正治
なので、あのときに自分の展示会を河森EXPOという名前をつけてやっていたんです。
寺島拓篤
それでだったんだ。思っていた以上に思いが詰まってるタイトルだったんですね。
河森正治
そして、あの展示会終わった数ヶ月後ぐらいに、今回の万博のこの話を受けました。
すごい運命的なものを感じざるを得ないと言うかね。
寺島拓篤
引き寄せてますね。すごい。
河森正治
今回万博全体のテーマは、いのち輝く未来社会のデザインってことなんですけども、自分はその中でもテーマ館。大阪万博だったら、太陽の塔に相当するポジションのところを、他の7人全部、自分入れて8人のプロデューサーで、多様性の時代なんで、一つじゃなくていろんな種類のことを展示していこうみたいな、そんなことで作っていますね。
寺島拓篤
みんなでいのちのことを考えてるんですね。
河森正治
いのちってね、実は合体変形を繰り返してるってことなんです。
寺島拓篤
河森さんっぽくなってきた!
河森正治
食べものっていうよりも、生きてた魚だったりとか、動物だったりね、野菜だったりを食べるってことは合体じゃないですか。
寺島拓篤
そうですね。
河森正治
それで消化されるってことは変形じゃないですか。で、吸収されると自分の体になって、そこから排泄されたらまた地面に対して、どんどんぐるぐる巡っていく。
寺島拓篤
順番に合体変形を繰り返しているんですね。
河森正治
それが同時進行で、人間だけでも何十億人、そこに数え切れないほどの動植物と微生物とかがいて、無限に同時進行している、合体変形の渦の中に突入するような、そういうパビリオンを作ろうとしてるんですよね。で、それを実感させるために、今まであった映画とかドームシアター的なものでもまだ足りなくて、XRゴーグル、VRだけだと個人体験になっちゃうんで、カメラスルーでみんなの姿も見えながら、でも時々生き物の世界に突入、命の流れかな?に突入して、またみんなと一緒になって、それを時間と空間と、それから宇宙スケールから、微生物スケールから、原始のスケールまでを行ったり来たりしながらいく、超時空体験をするっていうね。
寺島拓篤
超時空はやっぱり河森さんっぽいワードですよね。
河森正治
超時空と無限と合体変形のシアターみたいな。
寺島拓篤
すごい。この説明だけですごい納得感があります。早く見たいです。
河森正治
でもそういうところが、例えばね、初めてご一緒したときにアクエリオンだったわけですけども、アクエリオン自体って、結構多様性をテーマにしていて、エレメントの能力が全然違う人たちが溢れてね、それまでの合体物って、合体したら強くなるのが当たり前だったんだけど、合体しても弱くなるかもしれない。仲が良くても弱くなったり、仲が悪くて喧嘩しているけど強くなってるとか、そういう掛け合わせのダイナミズムみたいなものを描いたつもりなんですよね。いかがでした?
寺島拓篤
すごい質問ですね、いかがでした?っていうパス。
やっぱり当時は僕もほぼデビュー作に近かったので、やっぱり冷静にそうやって俯瞰で作品を見ることってなかなかできなくて、アポロとしてどうやっていくかだけしか考えられていなかったんですけれども、もう僕も活動20年になって、改めてアクエリオンとか今までの人生でも見直してたんですけど、どうしてもやっぱり自分のお芝居の拙さとかに目がいっちゃって、これはなかなか見るのに骨が折れるなと。
河森正治
それはね、一緒ですよ。
寺島拓篤
同じなんですね。クリエイターはみんなそうなるんだと思うんですけど、この年になって、ようやく自分のお芝居も何か一つかけ離れたところで、こういう新人がいたら面白いよなっていう、当時、ピエール役の小野坂さんとかにも、当時のことを、いや面白い新人出てきたなって思ってたんだよっていうお話を伺ったりして、そういう目線を僕も持つようなことができるようになって、改めてアクエリオンを見ると、本当に実験的なことというか、あんまり人が考えなかったようなことをアニメに落とし込んでいるんだなっていうのに気づいて、よくこれ2クールで作ったなって本当に思いましたね。見たことない展開ばっかりだったので。
河森正治
そうですよね。変わったこと結構やってますよね。
寺島拓篤
本当に。しかも第一作じゃないですか、アクエリオンシリーズの。それまでの河森さんはマクロスのイメージが強いんで、宇宙で歌うとか、ヴァルキリーの変形だったりとか、っていうところの面白さはあったんですけど、合体することで他人と他人が入り混じって、新しいものが生まれるっていうことの可能性が生まれた瞬間だったと思うんですよね、アクエリオンは。それが今でも続いているっていうのは、このとき作ったものは河森さんにとってすごく大きなものだったのかなと。
河森正治
実際そのとき、やっぱ何だろう。 本当に、もちろんね、アニメ作ったり物語作ってけば必ず関係性を描くわけですけども、関係性そのものがテーマにできるようなのって珍しいと思ったし、当時もよく言ってたんですけども、アクエリオン、ロボットものじゃありませんと。合体物ですと。ロボットというのは器であって、その中にいるエレメントの能力が合体する。で、変容するみたいなね。そんなことを考えていて、そのときにね、前もちょっと話したかもしれないですけども、寺島さんの声を聞いたときにすごい良いなと思ったのが、その野生児のアポロにガラガラした音が野生の声の人を当てちゃうと、一色になっちゃう。
寺島拓篤
野生一色になっちゃう。
河森正治
そうそうそう。そうじゃなくて、すごい知的な感覚と、でもね、あの時すごくよく歩かれてるみたいな話もされていて、そういうのとか。
やっぱりあとは出身も自分も富山なんですけど。
寺島拓篤
そうですね。僕は石川県です。
河森正治
そういう知性の感覚と、ちょっと野生の感覚が、陰と陽の関係みたいに絡まり合ってるのが、すごいちょっと魅力があって、お願いしたってとこなんですよね。
寺島さんとかね、当然声優さんとかして演じられてるときに、アニメーションの手で描いた、アニメーターたちが描いてるから、描いてる人は人間とはいえ、いのちのないものに、いのちを与えていく役割じゃないですか。そういうときってどんな感覚ですか。
寺島拓篤
僕は、これも役者さん1人1人違うと思うんですけど。
河森正治
そうそうそう。それがちょっとね、1人1人の違いが知りたいんですね。多様性としてのね。
寺島拓篤
僕は元々がやっぱりアニメオタクなので、作画の方がどういうお芝居で、どういう意図で、この顔なり手なりを描いたのかっていうのは、出来上がってからすごい興味が湧いてくるんですよね。で、そのリアルな実写のお芝居だと、目線一つとっても、こうやって動かすのって一瞬でできますけど、アニメーターさんが描くのって、もうやっぱその何枚か描かなきゃいけないっていう話になってくるじゃないですか。そこのすごさをアニメーターさんたちには感じてて、僕はすごい尊敬してるんですけど、結局僕ら声優も、よくいのちを吹き込むみたいな表現していただくことあるんですけど、でも、あくまでそのパーツでしかないので、僕は完成したものを見て、画面の向こうの世界のいのちを感じるっていうのが、僕すごい好きなんですよね。割と後付け的になっちゃうんですけど。当然、お芝居してるときは、これもまさにアクエリオンの3体合体みたいなもので、頭で考えることと、心で感じることと、体で感じることを、画面の向こうにいる自分が演じるキャラクターは、どういうふうに今感じているんだろうというのをすごく考えるようにしていて。
河森正治
なるほど、なるほど。
寺島拓篤
行き着いたのは、一番大事なのは、そのキャラクターが今何が見えているかということなんですよね。キャラクター下ろすみたいな言い方しますけど、逆に僕はキャラクターに入っていく方が感覚近くて、どちらかというと。
河森正治
入ってくね。
寺島拓篤
その人の視界がどういうふうなのかっていう、例えばその人が見ている相手との距離感もそうですし、相手のことだけじゃなくて、そのとき足元に何があるのか、その風景とかも含めて風景が見えると、体感が少しわかってくる。
河森正治
なるほど、なるほど。
寺島拓篤
風景で、地面が草生えてるんだったら草の匂いがするのかな、とか、そういったこともだんだんわかってくるので、まずは、キャラクターの本当の意味での目線を感じるっていうのを大事にしてますね。
河森正治
いいですね。そのときに、例えばキャラクターに入っていくときに、普段の寺島さんから抜け出て入っていく感じですか?それとも、スーっと自然に移行していく感じなんですか?
寺島拓篤
ヒントとしてはやっぱり僕なんですよね。向こうに生きてる人間の環境って、我々が生きてる地球とは違うと思うんですけど、でもそこに生きてるってことは、呼吸してるとか、心臓が動いてるとか、僕らが意識しないでやってることを、相手の方にアジャストして意識するっていうことで、ヒントは僕にあるんですけど、最終的にはもう向こうに全部渡す感じというか。
河森正治
渡す感じね。
寺島拓篤
なのでどっちかと言うと、今おっしゃってた抜け出していくほうが近いかなとは思うんですよね。最終的にはシンクロしていくような感覚だと思うんですけど。
河森正治
それは何か子供の頃からそういう感覚とかってあったんですか?
寺島拓篤
全然ないです。元々そういう感覚なかったですし、何か表現することが好きな人間では別になかったので、それこそ高校のときに初めて演劇やってから、今に至るまでのお芝居の経験の中で、ようやく今言葉にできて、説明できてるっていう感じなんですけど。
河森正治
ある種、無我夢中的にやってたのが、だんだん言語化できるようになってきた。
寺島拓篤
そうです。頭で考えて、最終的にはわかんないままやるみたいな感じだったんですけど。
河森正治
なるほど、なるほど。
寺島拓篤
だから本当入っていく、自分を捨てていく方に近い感覚ではあると思うんですけど、でもどっかでやっぱり、音声を表現するセクションになっているので、冷静に技術者として作っていかなきゃいけないなっていうのはいつも感じているので、完全に入り込んでるっていうわけではないと思うんですけど。
河森正治
そこですよね。そこのバランスとかってすごい難しいですよね。
寺島拓篤
難しいですよね。かなぐり捨てるわけにはいかないな、みたいなところもあって。
河森正治
自分が、もう全くプレイヤーができない人間で。全くできないんで、そこすごい憧れるし、何か聞いてみたいとかって思う部分なんですよね。
寺島拓篤
そうですね。僕もプレイヤーではあるんですけど、どっちかっていうと、やっぱりそのクリエイトする側の人間に対するリスペクトが強すぎて。
河森正治
でもクリエイトもしますもんね。
寺島拓篤
そうですね。
だけどやっぱりそこを自分の人生としてやってらっしゃる方々に、なんていうか比べるあれじゃないとは思いますけど、やっぱり敵わないなと思うので、いつもそのアニメの原画だったりとか、仕上がったものを見て、いつも息を飲む思いで作品見てますね。
河森正治
それはすごいありがたいことですよね。
寺島拓篤
作り手側としては。
河森正治
そうそう。でもなんかそういう感覚の中で、例えば寺島さんから見て、こういうとき、いのちって輝いてるよな。みたいな感覚って何かあったりします?ちょっと抽象的かも知れないんですけど。
寺島拓篤
自分でやっていたものを、自分でお芝居してるときの手応えとかも、もちろんあるはあるんですけども、さっき言ったように、その完成したものを見たときに、自分が出したものと、各セクションのクリエイターさんたちが作ったものが一つになって、それで自分が感動したときに、もう僕の、やっぱり言われるから、自分がいのちを吹き込んでるって感覚も多少あるんですけど、もうそこを離れて、今生きてる。って画面の向こうで。
河森正治
おー、いいですね。
寺島拓篤
すごく感じますね。
河森正治
なるほど、なるほど。
寺島拓篤
アイドルとかやらせていただく方の役で、アイドルがパフォーマンスしてるのを、お客さんがすごいキラキラした顔で応援してるのを見たときに、画面じゃなくてお客さんを見たときに、なんかすごく嬉しくなっちゃって、涙が止まらなくて。
河森正治
なるほどね、なるほどね。
寺島拓篤
彼が本当に生きてて、彼のことをまっすぐ応援してくれてる人がいるっていう、なんか僕が演じた人ってよりは、僕が努力を近くで見てた人みたいになって。
河森正治
なるほど、なるほど。面白いね。
寺島拓篤
本当に生きてるんだっていうのをすごく感じましたね。
河森正治
そういう、なんだろうね。これ面白いよね。フィクションの世界だし、なんか、ちょっとね、改めて思ったんだけども、アクエリオンで考えていた、マシーンの中に3人が入ってっていうのが、描き手の絵かきと声優さんと、それからね、シナリオライターとか、監督だったりが合体して作ってたんだなっていうのを、そういう感覚が投影されてたんだなって。
寺島拓篤
きっとそうだと思います。
河森正治
改めて感じますよね。
寺島拓篤
目線が変わると、そういう合体だったんだって思います。僕もやっぱり自分の人生の礎にアクエリオンあるので、合体っていうのはやっぱふと考える瞬間あって、キャラクターと自分が合体する瞬間もあるんだろうなとか。
河森正治
そうそう。そういうことだよね。
寺島拓篤
ときには並んでるときもありますし、重なってるときもあったり、いろいろだとは思うんですけど、その関係性っていうものの最終到達点はきっと合体なんでしょうけど、その中で変形もやっぱり出てきますし、何かそういったことを今改めて自分が考えているってことが、ちょっと面白いなとは思うんですよね。
河森正治
面白いよね。あとね、例えば寺島さんとかの場合、好きな生き物とか、興味のある生き物とかってあったりします?
寺島拓篤
僕はもうなんか単純にかわいいものが好きなんで、小動物大好きだなと思うんですけど、小動物と、あと小動物のくくりにしていいかわかんないですけど、やっぱり子供、人間の子供とかもかわいいなと思っていて。
河森正治
あ、自身のお子様と?
寺島拓篤
そうなんですよ。自分の子供育ててる時に、もう毎日変化していってるので、これが生きるっていうことなんだっていうのを改めて感じて、本当このたった一年でも、僕らの一年前って、全然そんな変化は感じないんですけど、子供の一年前って、こんなにちっちゃかったんだとかっていうのはリアルに感じますし、やっぱり自分とこの子だけじゃなくて、よそのお子さんとか見てても、なんかこう、何かしなきゃみたいな、守り育てる側の意識に今スイッチは入っているので、なんか小さい子たちはみんな愛おしく感じちゃいますね。
河森正治
それはでもね、確かにそういう力あるよね。
寺島拓篤
ありますね。
河森正治
あれは不思議だよね。本能に刺激するじゃないけど。
寺島拓篤
本当そうだと思います。抗えないですもん。
河森正治
あとやっぱ変化してくってすごいことですよね。やっぱそれもね、でも1年かけてすごい変化してると同時に、何だろう。それを圧縮すると、ものすごい変化ですよね。
寺島拓篤
そうなんですよ。僕らじゃそうはならない。でも、僕らもやっぱそれを経てきてはいるんですけど、それをなんか自分では意識してこなかったものを、自分の子を通してそういうふうに感じられるっていうのが、いい経験もそれもさせてもらってるなと思って、それによって私達育てる側も変化しているっていうのを、すごいリアルに感じてるんですよね、今。
河森正治
それはでもなんかあれだよね。変化が一方通行じゃなくて、変化が循環してくっていうかさ。
寺島拓篤
本当そうです。
河森正治
そのいのちが巡ってく感じっていうのは、すごくなんか今聞いてても、ちょっと発見になりますよね。
寺島拓篤
そうなんですよね。循環していく中で、この巡り合えたことってのは奇跡だと思いますし、自分の遺伝子を継いでいる存在っていうのは、どういうふうになっていて、結果循環はしてるんですけど、別に同じものに返ってくるわけじゃなくて、
河森正治
そうなんですよ。そこですよね。円じゃない。円周のリングを回ってるわけじゃなくて、どんどんどんどん複雑に変化してくっていうか、そこすごいダイナミックですよね。
寺島拓篤
そこなんですよ。同じことの繰り返しじゃないっていうのが。
河森正治
ないないないない。
寺島拓篤
循環なんだけど、進化なんだっていうのが。
河森正治
そうそう。それでね、その循環なんだけど進化っていうのを表す言葉が、実はあんまりないなと。巡るって言葉を使ってるんですけども、なんかどうしても、元に返ってくるわけじゃないんだけどなとかね。
寺島拓篤
そうそうそう。巡るは戻るんですよね。
河森正治
その巡るも、同時進行でいくつもの渦ができてるので、これを表す言葉があんまなくて。
寺島拓篤
そうですね。
河森正治
これは発明しないとまずいなと思ってて。
寺島拓篤
それは本当に、言葉としての発明は面白いと思います。
河森正治
そうしないと、やっぱり先入観で、循環っていうとね、戻ってきちゃうんですよね。戻ってないっていうことが、なかなか伝わらないっていうか。
寺島拓篤
そうですね。 リサイクルとかリユースとか、そういう、今大事にされてる環境的な問題に代表されるような言葉もすごく大事なんですけど、きっと生き物っていうのは、そこから逸脱したところにあるものだと思うので。
河森正治
そうそう。もっと複雑ですよね。
寺島拓篤
複雑ですよね。今回だから、パビリオン作られている8名の、河森さん含む8名のプロデューサーさんたちで考えてみてほしいですもん。ちょっとこういう話をして。
河森正治
そうですよね。もう大変ですよ、それ。みんなね、自分のこの考えっていうの、もちろんすごい方たちなのでいろいろ論議できるんですけども、本当にあのね、面白いですよ。
寺島拓篤
ご自身、それぞれの考えをまず理解するところからだから、果てしない時間が必要になりそう。
河森正治
これはなかなかね、楽しいですよね。超刺激的ですよね。
寺島拓篤
その言葉考えてほしいですね。
今回、やっぱり幼いころに万博ですごく刺激を受けて、今回の万博で何をするかって考えるの、すごい難しかったんじゃないですか?
河森さんのプロデュースするチームみたいな形で作ってるってことですよね。その中で河森さんがアイデアをしっかり出しながら、それを皆さんがじゃあどうしようっていう。
河森正治
そうそうそう。だし、またこういうことしたらどうですかってきたらば、それは面白かったら、ここに採用しようとかって、それ刺激受けて、じゃあこんなプランどうだろうとかって、そのセッションがめっちゃ楽しいですよね。
寺島拓篤
でも結果、先ほどからお話伺ってると、僕が見てきた河森正治っていう人が作る世界とか、その生み出している小さなものから大きなものまでを、全部体現しているなっていう感じはするので。
河森正治
そうですね。そういう意味では、40年以上エンタメ系のことやってきたり、SF系やってきたりってことを全部結集して、サイエンスとかリアルに近いことを、どんだけエンタメで表現できるかみたいな、どんだけそれもなんか頭で感じるだけじゃなくて、心に響いて体が動くかみたいな、そんなことをすごく追求してますよね。
寺島拓篤
今回だからやったのって、河森さんがやってきた作品のエンタメ的な部分なのか、それとももっとその根底にある、河森さんがずっと作っているデザイン的なとこなのか、それよりももっとSF的な頭の中のことなのか、どれがやっぱり強いのかなと思って。
河森正治
全部の掛け算ですよね。
寺島拓篤
掛け算なんだ!
河森正治
足し算じゃないです。掛け算ですよね。で、掛け算にしない限り、超えられないことがわかったんですね。足し算で作ってるうちは、どうやっても自分のものにならなくて、じゃあどうやったら掛け算になるのかってのは、ずいぶん考えましたよね。
寺島拓篤
すごい。掛け算にするって、でも確かに言われてみればそうだなと思うんですけど、その、昔見た万博を超えるっていう、なんか1個、ハードルじゃないですけど、テーマみたいなことが。
河森正治
あります。
寺島拓篤
これってだからゼロから作るよりも、逆に難しいですよね。
河森正治
特にね、昔の万博見てる人にとっては、めちゃくちゃハードル上がるんで。
寺島拓篤
実感ですもんね、あれが。
河森正治
でも時代は違うから、そのときと同じことやっても全然もう、他のテーマパークに敵わない、他のメディアに敵わないってことになっちゃうんで、それを何だろう、でも、最先端のメディアの力を借りて、フィジカルなこととか、感覚的なこととか、より実感に持っていくにはどうしたらいいんだろうみたいなのは、すごく思ったところですよね。
寺島拓篤
すごいですね。最新の技術を持って、原始的なものに訴えかけるっていう。
河森正治
そうそう。
寺島拓篤
真逆のいき方をしてるのが、すごいなと思いました。
河森正治
寺島さんはクリエイターの側面もあるから、すごくちょっと話せるかもしんないですけど、本当にいろいろ体験したり、いろんなものを研究してはくるんですけども、よくあるリアリティを上げていって、自然に近づけるようなやつやってても、全然駄目だってことがよくあったんですよね。そうすると自然になるだけなんで。
寺島拓篤
確かに。最終的には。
河森正治
自然に及ばないってことになるだけなんで、それをどうずらして組み合わせると、普段は感じられない、普段は実感できないことが実感になるのかとか、知識がどうやったら体感に変わるのかとか、そういうのはすごく工夫した場所ですよね。
寺島拓篤
ただ正攻法で行くと、100点には届かない。どっかで止まっちゃうと思うんですけど、そこをやっぱ工夫ですよね。掛け算にするとそういうとこに行けちゃうんだ。でもそれをなんかやっぱり、ずっとクリエイションしてる方じゃないと気付けない領域なんだと思うんですよね、それって。
河森正治
いやー、今回はでも本当に大変でしたよね。まだね、でしたって言ってもまだ過去形にならないぐらいに、まだまだ現在進行形で、どうやったらさらにリアルに、実感を深められるかとか、ただ実感するだけじゃなくて、それを今後何かのヒントにして、ちょっと新しい方向に踏み出せるかとかみたいなことまでいけるかどうかっていうのは、やっぱここからの勝負ですよね。
寺島拓篤
人の人生に介入していく経験になるわけですよね、それって。
河森正治
そうですね。ただもちろんね、操作するつもりはないから、感じていただければ、どの方向に行こうかはもちろん自由なわけですけども、でも何かちょっと臨界値を超えるような体験まで何とか持ってきたいなと。
寺島拓篤
臨界値を超える。かっこいい。
河森正治
それでいて、いろんな人が個性的に物事の感じ方も違うし、自分の得意な表現法も違うし、行動法も違うってことが、よりあれから20年を経て、よりその辺が自分の中でも実感できてきてるんで、いのちの輝きっていうよりも、自分の合体変形する凄まじさっていうか、とてつもなさみたいな、それを実感してもらうにも、この展示でそれを実感できる人もいれば、こっちの超時空シアターで体感できる人もいるし、ANIMA!で体感する人もいるかもしれないんで、その中でも掛け算になってくれる人もいるかもしれないとかね。それはもう本当にこれからの勝負ですよね。
寺島拓篤
全部体験してみてもらいたいですよね。
河森正治
そうです、そうです。で、どれが自分にとってね、一番響くかとかもね、そこも感じていただけると嬉しいなというか。
寺島拓篤
全然違いそうですね。すごいやっぱ話聞いてると行ってみたくなります。
すごい面白い時間があっという間に過ぎ去っていったんで。今回、万博の河森さんがプロデュースしたパビリオンのお話に集約してたと思うんですけれども、結局話の、その行き着く先がもう全然違う話だった。もっとだから話したいなっていう。
河森正治
今までもね、対談させていただいた方と、めちゃくちゃ刺激的で、話が。同じ役になるでもこんなにアプローチ違うんだとかがね、たまんなく面白いですよね。
寺島拓篤
直結で言うと、やっぱり梶裕貴くんとかは、全然感覚違うと思うんですよね。僕と彼が見てきたものも違うけど、やっぱアクエリオン的に言えば、その1万2千年超えて繋がってるものがあって。
河森正治
同じアクエリオンの中の違うシリーズの主人公でやるわけだもんね。
寺島拓篤
僕も彼も多分お互いのことをやっぱり特別な存在だと思っていて、そういう関係値になれたことも何か運命的だなと思いますし、僕と梶くんだけじゃなくて、そういういろんな河森さんにまつわる役者さんとかクリエイターさん、いろんな人たちと、そういう座談会。分野の違いも超えて、いのちっていうテーマで話したら面白そうだなと今思いました。
河森正治
超面白そうですよね。
寺島拓篤
ここだけでもこんなに面白いんだから。
河森正治
めっちゃ面白いですよね。
寺島拓篤
すごいと思います。本当に良い機会いただいて、ありがとうございました。
河森正治
今日はどうも本当にありがとうございました。
寺島拓篤
ありがとうございました。
寺島 拓篤(てらしま たくま)
12月20日 石川県生まれ、アクセルワン所属。宝達志水町観光大使。
趣味は絵を描くこと。
声優、ナレーターの他、歌手としても活躍中。昨年歌手活動10周年を迎えた。
主な出演作品はアニメ「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEシリーズ」一十木音也役、「EDENS ZERO」シキ・グランベル役、「阿波連さんははかれない」ライドウ役、「帰還者の魔法は特別です」デジール・アルマン役「ログ・ホライズン」シロエ役、「黒執事」スネーク役。ゲーム「聖剣伝説VISIONS of MAMA」ヴァル役、「刀剣乱舞無双」面影。映画吹き替え「マティアス&マキシム」マキシム役、「聖なる犯罪者」ダニエル役。他多数出演。
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