宇宙の窓

めぐる水

日本海に流れ込む鳥海山からの伏流水

山に降った雨は森に沁み込み、地下水となって伏流し、数十年の時を経てやがて日本海の砂浜から沸き出る。
めぐる水が、山を生かし、いのちを育み、海を育てる。

展示内容

山形県北部の釜磯海岸では、砂浜や岩場の隙間から水が“ぽこぽこ”と湧き出している光景を見ることができます。これらの湧き水は、釜磯海岸にほど近い鳥海山に降った雨や雪解け水が数十年の時をへて湧き出したものです。

鳥海山は約60万年前からの火山活動によって流れた溶岩が重なりあってできていて、岩の上部と下部のスキマの多い溶岩層がスポンジのような役目をしてたくさんの水をためこみます。このミネラル分を多く含む地下水が、釜磯の海にとても豊かな水の恵みをもたらしているのです。

バックストーリー

形を変えながら循環する水

大気中の水分が雨や雪となって降り、川となって海や湖へと流れ込む。また一部は土の中へと染み込み、湧き水となって再び地上に現れる。川や湖、海から蒸発した水分は再び雨や雪となって地表に降り注ぐ。このように地球上の水は太陽の熱をエネルギー源として常に形を変えながら循環しています。

そのうち約97%は海に、約2%は氷河などにあります。地下水は3番目に多く約0.8%。湖や川の0.01%よりもはるかにたくさんの水が実は地下に蓄えられているのです。ちなみに、生物の体内の水は最も少なく、地球の水全体の0.00004%といわれています。

私たちが利用できる水という視点で見ると、淡水は全体の約2.5%ほど。その大半が極地の氷や氷河、地下水です。実は、私たちが利用できる水は全体のわずか0.01%、もし地球があなたの頭くらいの大きさだとしたら、飲める水を全て集めても直径1mmほどにしかなりません。